その日は急に訪れた。

 

意外なくらいあっけなかった。

 

上司との間で進めていた退職交渉は全くと言っていいほど進まなかったので、直接社長に伝えた。

 

苦しんでいるから助けて欲しいと。

 

決断は速かった。

 

「早い方がいいんだろ。明日、退職届と印鑑を持ってきなさい。手続きを取る。」

 

私が初対面で惹かれた強い経営者の姿がそこにあった。

 

「これ以上、引き留めてあなたがどうかなってしまったら、そっちの方が問題だ。採用した自分の方にも責任はある。仕掛かりの仕事の方はどうにでもなる。」

 

入社後、一旦見誤ったと思っていたが、一目を置いてた社長はやはりリーダーシップのある立派な方だった。

 

一定の配慮も頂けたし、短い期間ではあるが多かれ少なかれ世話になった会社だ。

 

感謝の気持ちを胸にこれからの人生を精一杯生きよう。

 

次は失敗できない。

 

準備を進めよう。